サツマイモの苗の保存方法!冷蔵庫はNG?しおれ復活や越冬も解説

サツマイモの苗の保存方法!冷蔵庫はNG?しおれ復活や越冬も解説 根菜類
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家庭菜園ブームで大人気のサツマイモですが、いざ苗を手に入れてもすぐに畑へ植え付けられないことってよくありますよね。週末までまだ時間があるし、植え付けまで数日空いてしまう場合、一体どこに置いておくのが正解なのでしょうか。

また、ネット通販で購入した苗が届いた時点でしなびた状態になっていて、ここから本当に復活するのか不安に思うこともあるでしょう。とりあえず水につけるにしても、どれくらいの深さまで漬ければいいのか、そもそも葉っぱが黄色くなっても大丈夫なのかと、次から次へと疑問が湧いてくるものです。中には、収穫したお気に入りの品種を越冬させて、来年の苗として使いたいという熱心な方もいらっしゃるかもしれませんね。

この記事では、そんな苗の管理に関するあらゆる疑問を解消していきます。

この記事で分かること!
  • 植え付けまで数日ある場合の最適な保管場所と管理手順
  • しおれた苗を元気に復活させる具体的な方法と判断基準
  • 絶対にやってはいけない冷蔵庫保存のリスクと理由
  • 来年も楽しむための冬越しテクニックや苗作りの基礎知識

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失敗しないサツマイモの苗の保存方法とは

サツマイモの苗の植え付けまで数日ある時の保管テクニック

サツマイモの苗を手に入れたものの、天候やスケジュールの都合ですぐに植え付けができないという状況は、家庭菜園では非常によくあることです。しかし、この「待機時間」の管理方法こそが、秋の収穫量を左右する重要なカギを握っていると言っても過言ではありません。

まず大前提として理解しておいていただきたいのは、サツマイモの苗(切り苗)は、親株から切り離されたことで根からの水分供給を絶たれ、自らの体内に蓄えられた水分と養分だけで生き延びなければならない「サバイバル状態」にあるということです。スーパーに並んでいる根菜としてのサツマイモとは違い、これから新しい根を出し、葉を広げて成長しようとする強いエネルギーを秘めています。

そのため、単に物置に放り込んでおくのではなく、植物としての生理現象を正しく理解し、彼らがストレスなく発根準備に入れるような環境を整えてあげることが成功への第一歩です。ここでは、購入してから定植するまでの期間(数日〜1週間以上)に合わせた、具体的で失敗の少ない保存テクニックを、私の経験を交えて徹底的に解説します。

植え付けまで数日ある時の保管テクニック

ホームセンターで元気な苗を見つけて衝動買いしてしまったり、予約していた通販の苗が平日に届いてしまったりして、週末の定植まで2〜3日空いてしまうことはよくあります。この「数日間」という短い期間の管理において、最も警戒すべき敵は乾燥ではなく、実は「蒸れ」なのです。

魔の「蒸れ」を防ぐ開封の儀式

多くの苗は、乾燥を防ぐためにビニール袋に入れられていたり、ダンボール箱の中でぎっしりと束ねられたりした状態で販売・配送されます。サツマイモの苗は生きて呼吸をしているため、常に熱(呼吸熱)を発しています。もし、購入したままの密閉状態で玄関や車の中に放置してしまうと、どうなるでしょうか。

苗自身の呼吸熱と放出される水分によって、袋や箱の中はあっという間に高温多湿のサウナ状態になります。これを「蒸れ」と呼びます。蒸れた環境は、軟腐病(なんぷびょう)などの細菌が増殖する絶好の温床となり、最悪の場合、一晩で茎がドロドロに溶けて腐敗してしまいます。また、植物ホルモンの一種であるエチレンガスが充満し、葉が黄色くなって落ちやすくなる原因にもなります。

すぐにやるべきファーストアクション

苗が手元に届いたら、帰宅後すぐに(本当にすぐに!)箱やビニール袋から取り出してください。これが「開封の儀式」です。束ねている紐や輪ゴムも一度ほどき、苗と苗の間に新鮮な空気が通るように、優しくふんわりと広げてあげましょう。これだけで、苗の生存率は格段に上がります。

最適な置き場所の条件

開封後の苗の置き場所として最適なのは、「直射日光の当たらない、風通しの良い日陰」です。具体的には、玄関の土間、北側のベランダ、あるいは軒下などが適しています。

「植物だから光に当てたほうがいいのでは?」と思われるかもしれませんが、根がない状態で強い直射日光に当てると、葉からの蒸散(水分が蒸発すること)が激しくなりすぎて、吸水が追いつかずに急速にしおれてしまいます。この段階では光合成をさせる必要はありませんので、むしろ薄暗い場所で安静にさせ、体力の消耗を防いであげることが大切です。ただし、エアコンの室外機の風が直接当たるような場所は、極度の乾燥を招くため避けてください。

新聞紙で包んで水につける正しい手順

サツマイモの苗を新聞紙で包んで水につける正しい手順

数日から1週間程度保存したい場合は、ただ置いておくだけではさすがに乾燥が進んでしまいます。そこで必要になるのが、適度な湿度を保ちつつ、最小限の水分を補給してあげるケアです。ここで活躍するのが、どこの家庭にもある「新聞紙」と「バケツ」です。新聞紙は、余分な水分を吸い取りつつ適度な湿度を保ち、さらに通気性もあるという、サツマイモ苗の保存にとって最強のアイテムなのです。

失敗しないラッピングの手順

具体的な手順を一つずつ見ていきましょう。

  1. 苗を束ね直す: 一度広げた苗を、扱いやすい本数(10本〜20本程度)で軽く束ねます。この時、きつく縛りすぎないように注意してください。
  2. 新聞紙で包む: 苗の切り口(根元)から葉の先端まで、全体をすっぽりと隠すように新聞紙で包みます。ポイントは「ふんわりと」包むこと。きつく巻きすぎると通気性が悪くなり、蒸れの原因になります。新聞紙がない場合は、キッチンペーパーで代用することも可能ですが、その場合は乾燥しやすいので霧吹きなどで軽く湿らせておくと良いでしょう。
  3. バケツに水を張る: バケツや深めの容器(空のペットボトルを切ったものなど)を用意し、底から1cm〜2cm程度の深さまで水を入れます。
  4. 苗を立てて入れる: 新聞紙で包んだ苗の「切り口」だけが水に浸かるように、立てて入れます。

なぜ「深水」はNGなのか?

ここで最も重要なのは、茎全体を水没させないことです。初心者がやりがちな失敗として、たっぷりの水に苗をドボンと浸けてしまうケースがあります。「水が多いほうが元気になるだろう」という親心かもしれませんが、これは逆効果です。

植物の茎も呼吸をしています。深く水に浸かってしまうと、茎の表面にある気孔が塞がれ、窒息状態に陥ります。さらに、水中の雑菌が茎の傷口から侵入しやすくなり、組織が軟化して腐敗するリスクが跳ね上がります。あくまで「足元だけ水につける」というイメージで管理してください。

毎日のチェックポイント

バケツの水は毎日交換しましょう。サツマイモの切り口からは有機物(デンプンや糖分など)が溶け出すため、水が痛みやすく、ヌメリが発生しやすいです。新鮮な水を保つことが、腐敗菌(特に軟腐病菌)の繁殖を防ぐ唯一の手段です。

苗を立てて置くべき重要な理由

サツマイモの苗を立てて置くべき重要な理由

保存する際、ついつい苗を新聞紙に包んだまま横に寝かせて置いていませんか?実はこれ、植物にとっては非常にストレスフルな状態であり、後の生育にも影響を及ぼす可能性があります。これには、植物特有の「背地性(はいちせい)」あるいは「屈地性」という性質が関係しています。

植物ホルモンの暴走を防ぐ

サツマイモに限らず多くの植物は、重力を感知して「茎は上へ、根は下へ」伸びようとする性質を持っています。もし苗を横に寝かせて保存すると、植物ホルモンであるオーキシンが重力側に移動し、茎の下側の細胞分裂を促進させます。その結果、苗は一生懸命に茎の先端を持ち上げようとして、まるで釣竿のように「Jの字」に曲がってしまうのです。

これは単に形が悪くなるだけではありません。苗は起き上がるために貴重な貯蔵養分(エネルギー)を浪費してしまいます。定植直後の苗は、自分の体内に残っているエネルギーだけで発根し、新しい環境に適応しなければなりませんが、保存中に無駄なエネルギーを使ってしまった苗は、このスタートダッシュで出遅れることになります。

植え付け作業の効率化

実用的な面でもデメリットがあります。大きく湾曲してしまった苗は、マルチを張った畝の穴に差し込むのが非常に難しくなります。無理に押し込もうとすると茎が折れてしまったり、狙った深さに植えられなかったりするトラブルの元です。

新聞紙で包んでバケツに入れる方法は、保湿だけでなく「苗を垂直に保つ」という意味でも非常に理にかなっています。できるだけ自然の畑に生えている時と同じ「縦の姿勢」をキープしてあげること。これが、苗の体力を温存し、スムーズな活着を促すための秘訣です。

絶対ダメ!冷蔵庫に入れてはいけない理由

絶対ダメ!サツマイモの苗を冷蔵庫に入れてはいけない理由

「野菜や食品は冷蔵庫に入れたほうが長持ちする」というのは、私たちの生活における常識です。しかし、ことサツマイモの苗に関しては、この常識は完全に通用しません。むしろ、冷蔵庫に入れることは、苗にとっての「死刑宣告」に等しい行為です。これだけは絶対に避けていただきたい、最大のタブーです。

サツマイモは「南国生まれ」

なぜ冷蔵庫がダメなのでしょうか。その答えは、サツマイモの故郷にあります。サツマイモはもともと中南米の熱帯・亜熱帯地域が原産の植物です。寒さには極端に弱く、生育に適した温度は25℃〜30℃、保存に適した温度でも13℃〜15℃と言われています。

これに対し、一般的な家庭用冷蔵庫の冷蔵室は3℃〜6℃、野菜室でも3℃〜8℃程度に設定されています。つまり、冷蔵庫の中はサツマイモにとって、生命維持が困難な「極寒の地」なのです。

環境 温度目安 サツマイモの状態
生育適温 20℃〜30℃ 活発に成長する
保存適温 13℃〜15℃ 代謝を抑えて休眠する(ベスト)
低温障害 10℃以下 細胞が死滅し始める
冷蔵庫 3℃〜6℃ 短時間で致命的なダメージ

(出典:農林水産省『サツマイモができるまで』より温度基準を参照)

不可逆的な「低温障害」の恐怖

冷蔵庫に入れると、短時間のうちに「低温障害」が発生します。これは、細胞膜の脂質が固まって機能不全を起こし、細胞内のミトコンドリアなどの器官が損傷する現象です。一度低温障害を受けた細胞は、二度と元には戻りません。

症状としては、葉や茎が黒っぽく変色したり、組織が水っぽく軟化して腐敗したりします。見た目には変化がなくても、内部の維管束がダメージを受けており、畑に植えても水を吸い上げられずに枯れてしまうことがほとんどです。「少しの間だけなら……」という油断が命取りになります。保存場所は必ず常温(ただし暑すぎない日陰)を選んでください。

1週間以上待つなら土への仮植えが最適

サツマイモの苗を1週間以上保存するなら土への仮植えが最適

天候不順で長雨が続いたり、仕事が忙しくて畑の準備が遅れたりと、どうしても植え付けが1週間、あるいはそれ以上先になってしまう場合もあるでしょう。水挿し保存は手軽ですが、長期間続けると苗自体が持っている養分を使い果たしてしまい、葉の色が抜け、次第に衰弱していきます。

1週間を超えるような長期保存が必要な場合は、水だけでの管理を諦め、一時的に土に植える「仮植え(かりうえ)」を行うことを強くおすすめします。

仮植えの具体的ステップ

仮植えと言っても、本格的に畝を立てる必要はありません。苗の生命維持装置として、一時的な住処を用意するだけです。

  • 場所の確保: 畑の隅っこや、培養土を入れたプランターを用意します。水はけが良い場所を選びましょう。
  • 斜め植え: 苗を束のまま、あるいは1本ずつバラして、地面に対して斜めに寝かせます。発根部位である「節(ふし)」が2〜3節ほど土に隠れるように浅く埋めます。
  • 葉は地上へ: 葉の部分は必ず地上に出し、光合成ができるようにしておきます。
  • 水やり: 植え付け直後にたっぷりと水をやり、その後は土の表面が乾いたら与える程度にします。

仮植え用の容器選びで最も重要なのは「通気性」です。ただの箱やバケツを使うと底に空気が淀んで苗が窒息・腐敗してしまうため、側面がメッシュ構造になっている専用プランターを使うのが最も確実な生存戦略です。

ここで絶対に「庭の土」や「使い古しの土」を使わないでください!弱った苗の切り口から雑菌が入り、一晩で腐る原因になります。必ず「高温処理された無菌の土」を使いましょう。水やりのタイミングが不安な方は、乾くと色が変わる培養土もおすすめです。

「白い根」が出てきても大丈夫?

仮植えをして1週間も経つと、土に埋めた節から真っ白な根(不定根)がたくさん伸びてきます。本番の定植(本植え)をする際には、この根がついた状態で掘り上げることになります。

「一度根付いたものを掘り起こして大丈夫?」と心配になるかもしれませんが、問題ありません。むしろ、すでに発根しているため、本植え後の水分の吸収が早く、活着がスムーズになるメリットさえあります。掘り上げる際は、できるだけ根を傷つけないように優しく土を崩し、伸びすぎた長い根だけ少し整理(カット)してから、本来の畝に定植してあげてください。こうすることで、苗は途切れることなく成長を続けることができます。

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状況別に見るサツマイモの苗の保存方法

しなびたサツマイモの苗をシャキッと復活させる方法

ここまでは基本的な保存方法をお伝えしてきましたが、実際の現場では「届いた苗がしおれている」「変色している」といった予期せぬトラブルに直面することも少なくありません。また、家庭菜園の上級者になれば、収穫したお気に入りのサツマイモを来年まで繋ぎたいと考えることもあるでしょう。

ここからは、より実践的な状況に応じた具体的な対処法や、少しマニアックな応用テクニックを深掘りして解説します。

しなびた苗をシャキッと復活させる方法

楽しみにしていたネット通販の苗がついに到着!ワクワクして箱を開けた瞬間、目に飛び込んできたのは葉っぱがシナシナにしおれ、今にも枯れそうな苗……。初めてこの光景を目にした方は、「不良品が届いた!?」「もう枯れてるじゃないか!」とパニックになってしまうかもしれません。

でも、安心してください。サツマイモの苗において、到着時のしおれは決して絶望的な状態ではありません。むしろ、ある意味では「絶好の植え付けチャンス」とさえ言えるのです。

しおれは「発根スイッチ」が入った証拠

サツマイモの苗は生命力が非常に強く、乾燥というストレスを与えられると、生き残るために体内のホルモンバランスを変化させます。具体的には、水分を求めて根を伸ばそうとする「発根ホルモン(オーキシンなど)」の働きが活発になるのです。プロの農家さんの中には、新鮮な苗をあえて数日間日陰に放置し、意図的にしおれさせてから植える「硬化(ハードニング)」や「日陰干し」という処理を行う方もいます。

つまり、しおれた苗は「いつでも根を出す準備ができている状態」なのです。とはいえ、あまりにもカラカラに乾ききっている状態では、植え付け後の回復に時間がかかってしまいます。そこで、強制的に水分を補給させる「復活の儀式」を行います。

3ステップで完了!復活の手順

  1. ドブ漬けの準備: バケツなどの容器に水をたっぷりと張ります。
  2. 全体を浸漬: 通常保存のように切り口だけではありません。苗を横にし、茎も葉もすべて水に浸かるように完全に沈めます(これをドブ漬けと呼びます)。苗が浮いてきてしまう場合は、軽い重しを乗せるか、濡れ新聞紙を被せて全体が水に触れるようにします。
  3. 数時間放置: そのまま日陰で数時間から半日ほど放置します。一晩浸けても構いませんが、24時間を超えるような長時間の浸漬は腐敗のリスクがあるため避けましょう。

この処理を行うと、細胞内の浸透圧によって水分が急速に吸収され、数時間後には嘘のように葉がパリッと立ち上がり、瑞々しさを取り戻します。ここまで回復すれば、もう安心です。あとは通常の「新聞紙+バケツ法」で管理するか、すぐに植え付けてしまいましょう。

葉が枯れたり黄色くなった時の見極め方

サツマイモ苗の葉が枯れたり黄色くなった時の見極め方

保存期間が長くなると、下の方の葉っぱが黄色くなったり、ポロポロと落ちてしまったりすることがあります。「どんどん葉が落ちていく……この苗はもう死んでいるのでは?」と不安になる場面ですが、ここで冷静に見極めるべきポイントがあります。

葉よりも「茎」と「成長点」を見ろ!

サツマイモの苗にとって、葉はあくまでエネルギー生産工場の一部であり、本体ではありません。保存中、苗は光合成が十分にできないため、古い葉(下葉)にある養分(窒素やマグネシウムなど)を分解し、これから成長するために最も重要な「成長点(芽の先端)」や「茎」へと転送(転流)させます。その結果、役目を終えた下葉は黄色くなって落ちるのです。

つまり、葉が落ちるのは「生きるためにエネルギーを再配分している証拠」とも言えます。たとえ葉がすべて落ちて丸坊主になってしまっても、以下の条件を満たしていれば、その苗は生きており、植え付け可能です。

  • 茎が緑色(または品種特有の紫色)で硬い。
  • 先端の成長点(小さな芽)が干からびていない。
  • 茎を切ると、白い乳液(ヤラピン)が滲み出てくる。

これらが確認できれば、植え付け後に節から新しい葉が展開してきますので、諦めずに植えてあげてください。

危険なサイン:黒変と異臭

一方で、絶対に使ってはいけない危険なサインもあります。それは「茎の変色」です。もし茎が黒や暗褐色に変色していたり、指でつまむとグニュッと簡単に潰れたりする場合は、細胞が壊死しているか、細菌に感染しています。特に近年、サツマイモ産地で深刻な問題となっている「サツマイモ基腐病(もとぐされびょう)」は、地際部の茎が黒く変色するのが特徴です。

病気のリスク管理

茎が黒く変色している苗を見つけたら、もったいないと思わずに速やかにビニール袋に入れて密閉し、燃えるゴミとして廃棄してください。決して畑に持ち込んではいけません。基腐病菌は土壌に残存し、翌年以降の栽培にも壊滅的な被害をもたらす可能性があります。(参考:農林水産省『サツマイモ基腐病対策』

苗から根が出た状態でも定植は可能か

サツマイモの苗から根が出た状態でも定植は可能か

水につけて保存(水挿し)をしていると、3〜4日もすれば茎の節々から白いヒゲのような根っこ(不定根)がニョキニョキと出てきます。これは苗が元気であることの何よりの証明ですので、基本的には喜ばしいことです。

「根が出た状態で植えてもいいの?」という質問をよくいただきますが、答えはYESです。むしろ、発根済みの苗は、土に入れた直後からその根を使って水分を吸収できるため、全く根がない苗に比べて活着(根付くこと)が早く、初期生育がスムーズに進む傾向があります。特に、乾燥しやすい砂質の畑などでは、発根苗の方が有利になることもあります。

根が伸びすぎた場合の対処法

ただし、保存期間が長くなりすぎて、根が10cm以上にも伸びてしまった場合は少し注意が必要です。長い根をそのまま植えようとすると、植え付け棒で押し込む際に根が絡まったり、不自然な方向に折れ曲がったりしやすくなります。根が団子状に固まって植えられると、その後のイモの肥大に悪影響(イモが曲がる、丸くなるなど)を及ぼす可能性があります。

もし根が伸びすぎて邪魔だと感じる場合は、植え付けの直前に清潔なハサミで根を3〜5cm程度に短く切り揃えてしまいましょう。「せっかく出た根を切るのは可哀想」と思うかもしれませんが、サツマイモは非常に再生力が強い植物です。新しい土の中で、切られた場所や節からすぐに新しい根を出し直しますので、作業のしやすさを優先しても大丈夫です。

ちなみに、サツマイモを切ると「ヤラピン」という白い粘液が出て、普通のハサミだとベタベタになってすぐに錆びてしまいます。プロの農家も愛用するこちらのハサミなら、粘液に強く、苗の繊維を潰さずにスパッと切れるので一本持っておくと重宝します。

翌年まで親株を残す高度な越冬技術

サツマイモの親株を翌年まで残す高度な越冬技術

「今年収穫した紅はるかが驚くほど甘くて美味しかった!この系統を絶やさずに、来年も自分の畑で育てたい」 そんな熱心な家庭菜園愛好家のために、収穫したサツマイモのツルを冬越しさせ、翌春の苗として利用する「越冬保存」の方法をご紹介します。これは温度管理がシビアな上級者向けのテクニックですが、成功した時の喜びはひとしおです。

越冬の必須条件は「暖かい室内」

前述の通り、サツマイモは寒さに弱く、10℃以下で枯死します。日本の冬、特に私が住むような地域では屋外での越冬は不可能です。したがって、越冬は必ず暖房の効いた室内で行うことになります。

方法 手順の要点 メリット・注意点
鉢植え法
(推奨)
  • 10月頃、霜が降りる前に採取
  • 赤玉土などの鉢に挿し木する
  • 日当たりの良い窓辺で管理
  • 夜間は部屋の中央へ移動
  • 水分環境が安定する
  • × ハダニ等の害虫に注意
水耕栽培法
  • 水を入れた容器に挿す
  • 2〜3日に1回水を交換
  • 薄い液肥で管理する
  • 清潔で手軽
  • × 水腐れで全滅のリスク

水耕栽培で越冬させる場合や、定植後の苗に元気が見られない時は、こちらの液体肥料をごく薄め(2000倍〜3000倍)にして与えると効果的です。リン酸成分が発根や代謝を助けてくれます。

成功のためのポイント

越冬成功の最大の秘訣は、「霜が降りる前にツルを確保すること」です。一度でも霜に当たってしまったツルは、見た目は緑色でも細胞がダメージを受けており、室内に入れた後に高確率で腐敗します。天気予報をチェックし、最低気温が10℃を下回る前に確保しましょう。

また、屋外のツルにはほぼ確実にアブラムシやハダニの卵が付着しています。これらを室内に持ち込むと、暖かい部屋の中で大繁殖してしまいます。採取したツルは、バケツの水に数分間沈めてジャブジャブと洗い、害虫を物理的に洗い流してから室内に持ち込むことを強くおすすめします。

無事に冬を越し、春(3月〜4月)になって気温が上がってくると、節々から新しい脇芽が元気に伸び始めます。この脇芽を20〜30cmに伸びたところで切り取れば、ウイルスフリーではありませんが、前年の形質を受け継いだ立派な「自家製苗」の完成です。

成功へ導くサツマイモの苗の保存方法まとめ

サツマイモの苗は、私たちが思っている以上にデリケートな一面と、驚くほどタフな一面を併せ持っています。最後に、これだけは覚えておいてほしい保存の重要ポイントをおさらいしましょう。

ここだけは押さえて!保存のゴールデンルール

  • 温度管理: 13℃〜15℃がベスト。冷蔵庫(10℃以下)は絶対にNG!サツマイモは寒がりな南国植物です。
  • 水分管理: 新聞紙で包んで保湿。水没させず、切り口だけを浅水につける。水は毎日交換して清潔に。
  • 姿勢: 苗は「立てて」保存し、エネルギーロスを防ぐ。重力に逆らわせないことが大切。
  • トラブル対応: しおれは復活可能。茎が黒くなったり異臭がしたら潔く廃棄。

苗のコンディションを整えてあげることは、秋の収穫量アップに直結します。「少し過保護かな?」と思うくらい丁寧に扱って、美味しいサツマイモ作りをスタートさせましょう!秋にホクホクの焼き芋を食べる自分を想像しながら、苗のケアを楽しんでくださいね。

※本記事の情報は一般的な栽培技術に基づく目安です。地域の気候や品種によって最適な方法は異なる場合があります。正確な情報は種苗メーカーの公式サイト等をご確認ください。

 

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